トヨタ子会社の「富士スピードウェイ」が2010年以降のF1日本グランプリの開催から撤退することを正式に発表しました。
2000年に富士スピードウェイを買収したトヨタは約200億円を掛けて全面改修を行い、2007年には念願の「F1日本グランプリ」誘致に成功しました。それまでの20年間、F1日本グランプリを開催して世界中から高い評価を受けていたホンダ傘下の「鈴鹿サーキット」から奪う形での日本グランプリ開催は、多くのファンからトヨタは”金(カネ)の力”で開催権を奪ったのでは?、とうわさされたものでした。
正式な発表はなかったものの5年契約とも10年契約とも言われた富士スピードウェイでのF1日本GP開催権は、しかし世論にも後押しされた結果、1年目の開催直前になって急遽、2009年以降は再び鈴鹿サーキットで開催し、以降は「富士」と「鈴鹿」とを隔年開催とすることになりました。
いざ迎えた富士スピードウェイ1年目開催における世紀の大失敗は世界中に報道され、またいくつかの訴訟にもなり、トヨタの国際的イベントの開催能力を疑問視する声まで聞かれました。雪辱を期して莫大な経費を掛けて再度臨んだ2年目で一応の成功を果たして信頼を回復したもののその経費負担は大変重く、この世界同時不況のおりに巨額の経費負担は出来ないと言うことになったそうです。
昨年末の「HONDAのF1撤退」も、今回のトヨタの富士スピードウェイF1撤退も民間企業の経営判断なのですから、もちろん外部の人間がとやかく言ったところでしかたのない話です。ですが、結果的にHONDAはそれこそ後足で砂をかけるようにF1とF1ファンの気持ちを置き去りにして逃げ去ったような印象を残しました。トヨタの富士スピードウェイもしかり。「たった2年で撤退するのなら、最初から鈴鹿サーキットからF1を奪うな!」というF1ファンの声が聞こえてきそうです。
F1参戦は撤退し、鈴鹿サーキットでのF1開催を継続するHONDAと富士スピードウェイでのF1開催を撤退し、F1参戦を(今のところ)継続するトヨタ。往年のF1ファンとしては、近い将来にまたF1で世界の強豪を相手に戦うHONDAチームの勇姿を見たいと願う気持ちと同じくらいに、これ以上F1や世界のモータースポーツ界に対して、良くないイメージを発信することが無いようにと願わずにはいられません。
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