きのう3月13日の最終運転をもって、寝台列車の「富士・はやぶさ」号が引退となりました。半世紀もの間、日本の夜を走り続けてきた伝統の夜行寝台列車が姿を消してゆくのは、何とも言えず寂しいものがあります。
これで残るブルートレインは「北斗星」「あけぼの」「北陸」「日本海」の4列車だけとなってしまいました。「青い寝台列車」に限らずに言えば、「トワイライトエクスプレス」・「カシオペア」・「サンライズ瀬戸・出雲」が加わります。
今年のダイヤ改正で「富士・はやぶさ」が廃止されることは今から2年ほど前に発表されていましたが、当店のオンライン予約センターには、昨年あたりから「富士・はやぶさ」のお申込みが増えてきておりました。改めて廃止を告げるニュースが流れた昨年暮れからは一気に倍増し、連日ものすごい数のお申込みが集中しておりました。
当店だけでもこれだけのお申込み数なので、全国の駅や販売窓口をあわせた競争率は相当のものだったことでしょう。
プラチナチケットとなると、ネットオークションなどで異常な高値で取引されることも多く、最終運転日ちかくのチケットは数十万円(?)という値段が付いていたと言いますから、異常事態と言えるかもしれません。
オークションという仕組みを否定するつもりはありませんが、たとえば最終列車のきっぷだけは、この列車に思い入れのある人達をJRで募集して、抽選で選ばれた人を乗せて運行する記念運転にする、などのイキな計らいがあっても悪くはなかったのに、と思うのは私だけでしょうか?
果たして今回、本当に乗りたいと思っていた人達の何人が実際にチケットを手にすることが出来たのでしょうか?
いかに人気があって、チケットがすぐ売り切れたのかを示す「このチケットは、XX秒で売り切れました。」という報道。今回は「10秒で売り切れました。」だそうです。
「10秒??」。
恐らく販売現場の誰もが思ったはずです。
もし本当に発売開始から10秒間ものあいだ空席があったというのであれば、一体あと何席確保することが出来ただろう?と。
ともあれ、単なる移動手段としてだけの鉄道ではなく、移動時間そのものを「旅の目的」として楽しむ列車の旅が、失われつつあるのは悲しい限りです。
残されたブルートレインが全て廃止となり、いずれ日本の夜から本当にブルートレインがなくなってしまう日がやってくるのでしょうが、それまで一日でも永く、1人でも多くの旅人を乗せて走り続けて欲しいと思います。
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