劇団四季の「オペラ座の怪人」はすごいらしい・・・。  2005.02.07

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■ とにかく「せつない」のである。せつなくてせつなくて、この感情をどう咀嚼(そしゃく)すれば、自分のなかで心が落ち着くのか、何ともつらい気持ちなのである。

1月12日から5年ぶりの東京公演がスタートした劇団四季の「オペラ座の怪人」を観てきました。 ミュージカルとしてあまりにも有名なこのお話ですが、実は今回初めてストーリーを知ったのでした。

~時は19世紀半ばのパリ・オペラ座。その地下深くに棲む“オペラ座の怪人”が歌姫クリスティーヌに恋をする。 お金もあり、頭も良く、音楽の才能も素晴らしく、誰よりも優しく、そして何より「彼女」への限りなく深い「愛」を持った男(怪人)。 その男の愛情に応えて想い慕い、その愛を受けてオペラ座の歌姫にまで上りつめた「彼女」。 そこまで愛され、尽くされていたのに、ある瞬間から「男」のことを忌み嫌い、憎んでしまう。 そう、それは「男」の仮面に隠された素顔が「醜男」であることを知ってしまったから。

それでも「男(怪人)」は、彼女への報われない愛を貫き通してゆく。但し、次第にそれはゆがんだ形となって。 彼女はといえば、若くて容姿の良い男へとあっさりと気持ちを乗り換えてしまい、物語は一気に「男(怪人)」対「カッコイイ若い男」との対決へと進んで行く。 彼女を愛して愛して愛して、なんとかその愛を受け入れて貰おうとする「怪人」は、ついに「カッコイイ男」を捕らえ、『俺を嫌えばこいつを殺すぞ。さあ、選べ。どちらか。』と彼女に迫る。 ところが彼女が「怪人」にしたのは、その愛をとことん踏みにじる冷酷な仕打ちだった。~

この物語はミュージカルなのに、ちっともハッピーエンドなんかじゃないのである。 女性が男性を選ぶ基準に「容姿の良さ」が重要であろうことは、まあ理解できる。 「オペラ座の怪人」は究極のラブストーリーであって、残酷で厳しい「現実」の世界を見せつけてくれる。 そう、現実の世界は決して「いつでも最後は、みんなが幸せになる」わけではないのである。 これからご覧になる方には、あらかじめロビーで売っているプログラムを買って、目を通しておくことをおすすめする。 その方がより深くこの物語を味わえるはずだから。

愛する人を心から想い、愛しつくすのに、ついにその愛を受け入れて貰えることなく、「怪人」の心は残酷に踏みにじられたまま幕が降りる。 鳴りやまないカーテンコールの拍手の中、私はあふれ出る涙をどうにも止めることが出来なかった。 主役3人、「若い男」
「彼女」 「怪人」がもう一度カーテンコールで舞台に出た。 一番最後、「怪人」がゆっくりと観客に挨拶をした瞬間、観客は一斉に立ち上がり、おそらく今日一番の大きな大きな拍手を「怪人」に贈った。 それを見た私は、また涙があふれてきてしまった。  (ひ)
(・・今日は長文ですみません。)

 

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